これじゃあ、ただ逃げているのと変わりない。
でも、ここ2日、色々あった事が胸を渦巻いて、なんだか辛くなってしまったんだ。
逃げたって、何も変わらないのに・・・。
しばらくして、トイレのドアをノックする音が聞こえた。
「サラちゃん、大丈夫?」
声だけで分かる位、心配そうな榊原くんの声。
いつまでもこうしている訳にはいかないよね。
私を応援してくれる榊原くんの為にも、強くならなくちゃ!
「うん、大丈夫。ごめんね、3分で行くからって、店長に伝えてもらえるかな?」
努めて明るい声で伝える。
「分かった。無理しないでね。」
榊原くんは、まだ心配そうな声でそう言うと、去って行った。
鏡に目をやると、泣き腫らした目と、赤くなった鼻が自分で見てもブサイクで、冷たい水で顔を冷やした。
まだ赤みは残るものの、腫れは少し落ち着いたような気がする。
両頬をパチンと叩いて気合いを入れ、トイレのドアを開けた。
