恐る恐る目を開くと、鬼のような形相で下を見下ろす柏原と、
口の端から血を流して横たわっている酔っ払いの姿があった。
「ちょ、ちょっと、何してるのよ!」
柏原を睨みつけ、酔っ払いに駆け寄り、無事を確かめる。
焦点が合っていない様子の目が、次第に落ち着きを取り戻した。
「申し訳ございません、お客様、大丈夫ですか?」
「大丈夫なわけ無いだろう!客に向かって何するんだ!こんな店、二度と来ないからな!」
お酒のせいか怒りからか、酔っ払いの顔は、今にも噴火しそうなくらい真っ赤だ。
帰り際に、テーブルの上のコップを床に投げつけ、パリンッとゆう音と共にガラスの破片と水しぶきが飛び散った。
