「わ、分かったらもう帰ってよ。」
決まりが悪くなって、柏原の背中を押す。
「腹減った、何か食わせろ。」
急に向きを変えて店の方へ向うから、背中を押す手がすべって、勢い余って前に転んだ。
「お前さあ、携帯といい、パンツといい、もうちょっと色気のあるやつ使えよ。」
「へ?パン・・・ツッ!!」
慌てて座り、スカートの後ろを隠した。
悪かったわね、5枚で千円の安物パンツで。
携帯も、貧乏だから新しいのが買えなくて、5年も前から同じもの使ってるのよ。
・・・とも言えず、言葉を選んでいると、スッと目の前に、柏原の手が伸びてきた。
「ほら、手。」
相変わらず、素っ気なく呟く。
そのくせ、少し照れたように笑うから、照れくさくなって自分で立ち上がって店へ向かった。
「お前、ほんっと可愛くない。」
後ろから聞こえる柏原の声が少し楽しそうで、いつの間にか私も笑顔になっていた。
