「サラちゃん、なんで担任に目ぇつけられてんの?」


窓際の席に座って、太陽の陽を背中に浴びながら、清四郎が聞いてきた。


はぁ・・・、だいたいなんで清四郎が隣の席なのよ!


それだけで、穏やかな生活が脅かされる気がする。


関わらない様にしようと、清四郎とは反対の方を向いて、左手で頬杖をついた。



「ねえって、サーラちゃん♪」


私の心中など気にするはずも無い清四郎が、肩をつついてちょっかいをかけてくる。


「奨学金でここに通ってるの。だから清四郎みたいに遊んでられないわけ。

分かったらもう私に構わないで。」


担任が、教卓の書類に気を取られているうちに、早口で一気に話した。


「へぇ、サラちゃん特待生なんだ。奨学金って、紋之丞ん家の寄付金から出てるって知ってた?」


私は目を大きく見開いたまま、清四郎を見ると、いたずらっぽく笑う清四郎と目が合った。


「えぇぇぇぇぇっ!」


またまた大きな声を上げてしまい、ハッと右手で口を押さえた。


「もーりーやーまー!」


レンズの向こうで、担任の目が、メラメラ炎を上げて燃えていたのは、言うまでも無い。


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