「ひぃぃぃぃっ!」


思いの他ダメージを受けた様子の柏原の声に、小さくガッツポーズを作って走った。



あんなに怖い思いをしたはずなのに、私の心は自分でも驚くほど、落ち着いていた。



甘いコロンの香りに、


伝わる体温に、


抱きしめる力強い腕に、


同じ間隔で背中を叩くリズムに・・・、


温かい気持ちにで満たされていった。



走りながら考える。


あんな奴、大っ嫌いなのに・・・


ポカポカと、温かくなっていく心が何故か怖くなって、ただひたすら走った。


 。○〇。。○〇。。○〇○。○。。○〇。