「サラ・・・。」
戸惑いがちに呼びかける父親に、そこに立っているのがやっとの私。
「どうしても、もう一度会って、謝りたいと思っていたんだ。」
そう言って、父親は力なく笑った。
白髪が多く混じり、年よりもだいぶ老けて見え、疲れた顔をしている。
この人も相当苦労したんだろう。
でも、同情なんて出来なかった。
“お前なら大丈夫だ”
柏原の言葉を思い出す。
大きく息を吸い込んで、強い目で父親を見据えた。
「2発、殴らせて。」
「えっ?」
その声に耳を傾ける事無く、憎しみの目を向ける。
「これは、お母さんの分!」
右手の拳に、ありったけの力と想いを込めて、戸惑っている父の左頬を、思いっきり殴った。
