「ねえ、どこに行くの?」
長い足で急ぐ柏原の後を、駆けるようについて行く。
何も教えてくれない柏原と着いた先は、この前あの人に会った場所だった。
嫌な予感が胸をよぎる。
柏原の視線の先を見ると、父親が花壇の縁に腰掛けていた。
「どうし・・・て・・・?」
もう会う事は無いって思っていた。
その場に根が生えたように、動けなくなる。
「俺が呼びだした。」
「どうして?勝手な事、しないでよ!」
柏原の無神経さに、つい声を荒げてしまう。
私達のやりとりに気がついた父親が、立ち上がって様子を伺っているのが見えた。
「ちゃんと、話し合え。」
「あんたに、私の気持ちなんか、分からないよ!帰る。」
背を向けて帰ろうとした私の腕を、柏原が強い力で掴んだ。
