「サラ、必要なものだけをまとめなさい。なるべく少なめに。絶対にお父さんを起こさないようにね。」
お母さんと二人、酔っ払って眠っているお父さんを起こさないよう、静かに荷物をまとめて家を出た。
お母さんの働いていたお店に事情を話して、働いていた分のお給料を日割りでもらい、街を出た。
行くあては無かったけど、遠くならどこでも良かったんだ。
きっと、生活は大変だと思うけど、それでも良かった。
あの、地獄のような日々から解放される。
それだけで、私とお母さんの生きる糧となったから。
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