「ちっさい石だな。」


私の妄想タイムは、柏原の馬鹿にしたようなこの一言で、現実の世界に引き戻された。


「買うの?」


「買えるわけないじゃん!」


私は、名残惜しそうに、ペンダントをケースに戻す。


「ふーん。」


柏原は、ニヤニヤしながらそう言った。


「どうせ、貧乏人には似合わないって思ってるんでしょ?」


「まあな。」


「殴っていい?」


「いいけど、倍にして返す。」




―試合、終了。


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