校門から出ると、ライオンの像にもたれ掛かり、おっかない顔をして腕組みをしている柏原を見て、大変な事を思い出す事になる。


なんてふてぶてしい態度!


怒りのオーラ、大放出中の柏原を見つけた私の頭の中に、今朝の言葉が蘇った。


 ―お前、今日の放課後、空けておけ。


空けておけって、一体、何様よ!


なんで、命令されなきゃいけないわけ!?


あいつの傲慢さは、思い出すだけでムカムカするわ!


一人で“思い出し激怒”をしていると、更に頭に蘇る朝の言葉。



 -うるせぇ、お前に拒否する権利はない!


・・・・・・。


ここは、逃げるが勝ちって事で・・・。



有無を言わせない俺様柏原の性格上、この先の展開が容易に想像出来るだけに、

私は躊躇する事無く、くるりと向きを変え、かなりの遠回り覚悟で裏門へ向かう為、今来た道を引き返す一歩を踏み出した。