―あれ?いない・・・。
そう、確かにさっきまでは、居たはずの柏原の席は、いつの間にか空席になっていた。
どこに行ったんだろう・・・?
「私も是非、知りたいです!」
話が止まってしまった所で、こちらも興味津々な様子の瞳ちゃんが、そわそわしている。
まっ、居ないなら話しやすいかな?
それに、清四郎は余計だけど、瞳ちゃんには話したかったしね。
私は、いなくなった柏原の事がきになりつつも、凄腕リポーター張りの二人に話を続けた。
「ボーイの人が、ハイヤーを用意してくれるって言ったんだけど、あいつ『あんなショボイ車に乗れるか!』って怒っちゃってさ。
私が、歩いて帰るって言ったら、うちの近くの本屋に用事があるとかで、結局、家までついて来てくれたんだけど・・・。」
「本当に、紋之丞が、歩いて帰るのに付き合ってくれたの?」
凄腕リポーターの二人は、一字一句逃すまいと、真剣に話に耳を傾けていたんだけど、またしても清四郎が横槍を入れた。
「そうだよ?どうして何度も確認するのよ。」
何度も話の腰を折る清四郎に、つい強い口調で答えてしまう。
