「えっ??」

「部長は、吉田と思いっきり酒を飲みあった事がありますか?」

「いや。というより、吉田はあんまり酒が飲めないほうじゃ・・・。新入社員歓迎会でもあんまり飲んでなかったし・・。」

「たぶん新入社員歓迎会は遠慮していたのだと思います。それに、本人も気づいていないのですが、有り得ないほど酒を飲みまくると吉田の奴、豹変するんですよ。」

と半ば青白い顔をしながら岡田が答える。

「豹変!?」

「はい。性格が、180度変わります。」

と今度は大石が答える。

「だから、田中が心配なんです・・。」

(確かに。今の吉田は、内気で優しくて奥手で・・・。そんな吉田が180度回転・・いや豹変したら大変な性格になってしまう!!)

「・・・よし!俺らも田中と吉田の行く店に行こう!!」

「「部長!?」」

「部下が危険だって分かってるのに見捨てるわけにはいかない!!」

「「部長!!」」

と言い2人は、涙目になって部長を見上げる。

「さぁ!行くぞ!!2人とも自転車に乗れ!!」


「「はい!ぶちょ・・・??自転車??」」

「俺は自転車通勤なんだ!!それに、自転車の方が青春っぽいだろ!!」

と部長は胸を張って言う。

(ぶっ部長!?頭大丈夫ですか???)

と思い岡田は大石の方を見ると、

「さすが部長です!!行くぞ!岡田!!」

と大石は涙目になったまま部長の後を追いかける。

「・・・中年の考えは、理解できません。初めて世代違いと言うものを感じました。」

と呟いてから岡田は、部長と大石の後を追ったのだ。