屋久佐さんが成仏して3日のある曇りの日のこと。


雄三さんと奈那子さんが2人で、TVを見ていた時、雄三さんが急に何かを言いだした。



「奈那子さん、親父の戯言だと思って聞いてくれ。」



「雄三さんが戯言以外話した事がありましたっけ??」



「・・・・・・・・。」



「さぁ、話してくださいな。」




「何か、梨花の奴、前よりまともになってないか??」



「と言いますと??」




「俺達が来た頃何て酒ばっか飲んで何か変な事よく言ってただろ??でも、いろんな奴を成仏させていく内にあいつ優しくなって常識的になってないか??」



「私もそう思います。それに、お酒を飲む理由が、お酒が好きだから飲んでいるだけじゃなく、その他に、何かを無意識の内に忘れたくてお酒を飲んでいる時があった気がするんです。」



「確かに。何か目が虚ろでうまい酒をまずそうに飲んでた時があったな・・。」



「梨花さんの過去、私達はほとんど知りませんが何かあったんでしょうかね??女の勘ですが、何となくそんな気がするんです。」




「俺も何となく思う。・・・親父の勘で。」



何となく今日の天気の曇り空のようなモヤモヤした気分で、2人はまた、TVを見始めた。



そんな話題の張本人梨花は、会社で吉田君のエビフライをパクっていた。