手が寒くなってきた。




僕は両手を出して
ゆっくりと白い息を吹きかけた。




マフラーとコートはもってきたが、手袋を忘れてしまった。




「はあ…」




僕はため息をつくと
また人でにぎわう街の通りを
歩いた。




ふと夜空を見上げたら
星はなくて
ただ真っ黒い空が広がってた。




星、見たかったな…




死ぬ前ぐらい
きれいな星を見たって
構わないだろうに。