「でも………不思議だ。」


ポツリ、ポツリ、と呟く一ノ瀬夾の言葉に疑問を持った







「? 何が?」
「なんかここ落ち着く。」









サァッと風が吹いた









「ほんとだ。今の風もアタシ好きだな…」
春の匂いがした。


あんな風アタシたちの住んでいるところでは、味わえない。










「俺も………好きだ。」








ドキッ……












「なんだ……?今の。」
何ドキッとしてんだよ。






普通はゾクッとだろ。