モノクロ

「待てっつってんでしょー！！」
猛ダッシュのアタシ。













それなのに、一ノ瀬夾は涼しい顔をして走っている。












「もう　ほんと腹立つー！」
怒りと悔しさの想いをこめて、おもいっくそ叫んでやる。









「あー…うるせぇ。」

















「ちょっとぉ　夾ぅー」
キモギャルの横を風のように通りすぎ、昼休みで人口密度が高い廊下をすりぬけ、ついたところは……










『一年二組』
アタシのクラスに戻ってきた。













「うっそ……」
その瞬間。









「桜……」
と、むちゃくちゃ心配顔の美央。












「桜ー」
「だから近づかないでっていってるでしょ!?」
あんがい、なる様と美央はいいコンビかも……？















「一ノ瀬夾知らない？」
そう。アイツは今さっきこの教室にはいってったのに、姿が見当たらない。












「フー…ン」
コツ　コツ。
だんだん、なる様が近づいてくる。









ヤダ…
怖い………









「もう、怖くないの？」
「こ、怖いに決まってんでしょ!?」
一歩、一歩近づいてくるたびに、体がビクッと反応する。










声も震えてる。





アタシこの人が怖いんだ。今までこんなことなかったのに………