モノクロ

タッ タッ タッ









「ま、待って!!」











意外にも、アタシが声をかけたら一発で止まった。









「ハァー………ちょっとタンマ~…」
フゥーと大きく深呼吸。













「フハッ!ほんと飽きねぇーな……」
わっ!笑った。









「飽きないってどういう意味?」
こんな風に憎まれぐちをいってるけど
ほんとは、むちゃくちゃドキドキしてる。














「知り合いなの?“なる様”とかいう奴と。」
疑問に思っていたことを直球に聞いてみた。











「…あぁ…」
すっごく辛そう。







何か、何かあったんだ。きっと。











「…ごめんな。」
そう一言言い残して、また歩きだす。







一ノ瀬夾は決して後ろを振り返らない。

















なんで謝ったの?
さっきキスされたこと?




それは、一ノ瀬夾のせいじゃない。