「ママ〜パパ〜、まだ支度できないの?」 「柚依…いくらなんでも早過ぎるでしょう!」 玄関先から、未だ出てくる気配がない両親を急かす私は、つい一ヶ月前まで背負っていた赤いランドセルから、学校指定の真新しい黒いリュックに持ち替え、 今日中学に入学する。 三つの小学校の生徒が同じ中学に通う事になるので、新しい友達に出会えるのは楽しみ。 でも、あたしがこんなにも浮かれているのは……… そう、 今日からまた、魁翔と同じ学校に通えるから。