六畳一間の魔法使い

彼はパソコンのモニターを指先でトントンと叩く。

「このサイトでな、自費出版で小説を本にしてくれるんよ。一冊作ってみた。やる」

そういえばこの小説のタイトルは、彼がサイトで書いてた小説のと同じだ。

「ええか?」

クルリと振り向く彼。

「今はそんな自費出版の本じゃけどの!絶対書籍化したる!書籍化して本屋に平積みされるような、人気の小説書いてやるんじゃ!」