六畳一間の魔法使い

受け取ったのは、メール便で届いた小さな封筒。

「なんか届いたよ?」

「ん?おお」

彼はまたパソコンに向かってキーボードを叩いている。

「開けてみぃ。お前にやる」

「え…」

訳も分からず、彼の言う通りに封筒を開ける。

中に入っていたのは…。

「これ…」

本屋さんで売っている文庫本よりも更に小さなサイズの、ポケットに入りそうな小説だった。