「じゃあ、有香、また明日~」


『ん、バイバイ』


仲良しの友達、凛と分かれて家路に着く。


夕日色に染まった街を歩きながらふと、思った。



梓がいなくなったあの時にも夕日があたしを包んでた。



懐かしい、なんて思えるほどあたしはまだあの日を思い出にはできない。


彼と別れて1年目。


あの時、16歳だったあたし・中野有香(なかのゆか)も明日には17歳になる。


梓・・・彼はもう大学生なのか。


梓、あたしの事まだ覚えてる?


あたしはまだあなたの事もこの想いも忘れずにいます―・・・。