あたしの手にはさっきまで彼の手の中にあったガラスの破片。



『梓・・・?』



呼んでも返事なんて聞こえない。


さっきまでのぬくもりも感じられない。









あの日、彼は消えた。


あたしの目の前から。





「愛してる・・・」


甘い言葉と水色のガラスの破片を残して。