人ごみを掻き分けて進んでいくにつれて女の子たちの熱気がすごくなる。


カシャッ

カシャッ


カメラのシャッター音も大きくなる。


梓だ。


雰囲気とか変わっていないけど、身長が高くなってる。


笑顔はあの時と変わらないあの日のまま。


『梓っ・・・!』


人ごみに流れそうになるのを必死に耐えて力を振り絞って名前を呼ぶ。


一瞬、梓が反応してこちらを見た気がした。


ドクン、目が合った瞬間あたしの鼓動はますます高鳴る。


梓・・・、あたしの事覚えてくれてる?


あたし、まだあなたのこと好きなの。