「まぁ、落ち着いて下さいよ」

あ~だ、こ~だと講釈を言われ、
「なんで、こんなヤツに!」と、
怒り心頭の歩に

「一応、決まりなんスよ」

「刺せれば何でもいいじゃない!?」

「ん~・・・なんていうか」
「ちがうんスよ」

「何が?」

「五寸クギだと、こう、何ていうか」
「こう、ズン!と来ると言うか」
「よ~し!がんばって呪うか!みたいな」
「気合の入り方と言うか・・・」

「は~ぁ?」
「じゃなに?私に用意しろと?」
「このうら若き乙女に」
「金物屋とかに行って」
「五寸クギ下さ~い♪って?」
「買って来いと?」

「あ、一本でいいっスよ」
「出来れば鉄のがいいっスね」
「アルミとかは、なんか軽くて」

話をよそに、ごそごそと何かを探す歩み。

「あ、なに探してるんスか?」
「あるんスか?五寸クギ?」

その問いに

「100円ライター」

凍りつく、ナッちゃんがいた。