和夫は調子にのっていた。

(これで、マキコはオレのものだ。そうだ。あの離婚届を探して、破っとかないとな。)

そう密かに考えている。

最もマキコには、お見通しだったが。
マキコにとっては、この結婚は闘いの始まりだった。

(もしも、和夫とうまくいかなかったら、大学卒業の時に分かれよう。ただではすまないだろうけど……。)

そう、マキコは決めていた。

(それまでは、子供はつくらない。)

マキコは子供がいて、親子が食事時に笑って話している。

そんな家庭を思い描いていた。