冬休みが終ると、マキコは神戸の下宿先のアパートへ戻ってきた。 カギを回すと開いている。 えっと驚いて、そうっとドアを開けて中を見ると、和夫が“お帰り”と笑った。 マキコは硬直して、つっ立っている。 やっと声が出た。 「あ、あんた、カギ! なんで? まさか。」 「さーね。」 和夫は笑って、言った。