父の遺書が見つかった。

祖父母、そして私たちに宛てた二通



『三人の宝物へ


まだ悲しんでいるかな?
大丈夫、おとうさんは、おかあさんと
一緒にいるからさみしくないよ。
安心して、それぞれの毎日に戻っていいよ。
宝物の笑顔がおとうさんたちの
最高のごほうびです。
桃、来地は、おねえちゃんのいうこと
よく聞いて、林檎は
林檎らしくまっすぐ前を向いて
未来に進んでください。
この数カ月で林檎は
一気に大人になったね、まぶしいくらいだよ。
応援してるよ。
おとうさんとおかあさんの
宝物三つ・・・・
幸せに・・・・。


   おとうさんより  』



「おかあさんといっしょだって~
それなら寂しくないね。」
桃が言った。


「二人はらぶらぶだからね。」
私は桃と来地の頭を撫ぜた。



「いつも見てるからがんばんないと」
来地はポーズをとった。



「うちら最強、ミックスフルーツだもんね。」


真っ赤に染まった茜色の空を見上げた。