「理輝・・・傷つけてごめんな。」
宏の声が悲しく聞こえる。


理輝は顔をあげて
「話してくれて…ありがと……
俺知ってたんだ。
春妃がとうさんを好きなこと……
俺はずっと春妃を好きだったから
春妃が何をみているのか本当は知ってた
でもそれを信じたくなかった。
他の男には絶対負けなくても
とうさんには絶対かなわない……
だから…憎らしかった。
春妃が俺のことをヒロ…って呼ぶんだ。
きっと無意識に
俺の体を使ってとうさんを想ってた。
やりきれなかった。
俺はまだ子供だったから……
春妃をつなぎとめるのは
俺がとうさんになればいいって思ってた。」



「理輝・・・・」



悲しい恋の結末は
春妃だけじゃない・・・・

理輝にも宏にも
ナイフを突き付けた・・・・・



真実を知ることで理輝が前を向けるのか



私は何ができるのか
親子の氷がとけた姿を見ながら
考えていた・・・・・。