「生まれ変わったら?」
春妃の腕は俺をまた強く抱きしめる。

春妃が顔をあげた。



俺は、春妃に言うのは

「幸せに・・・・・。」
それしかなかった。



春妃は泣き笑いしながら
俺の胸から離れた。



「さよなら。」

春妃が言った。



「ごめんな。
受け止めてやれなくて…
許してほしい。
俺は大人だから……冒険はできないんだ。
ここに生きてる限り…」
俺の目から自然に涙が落ちた。


「困らせるつもりじゃなかったの。
ただ愛する人に抱きしめられたかった
あなたを抱きしめたかったの。
気持ち押し付けてごめんなさい。」


俺は力いっぱい
春妃を抱きしめた。


「戻ろう?
俺は何もしらなかった。
春妃は俺の娘のような存在だった
あの頃に戻ろう。
そうしたら一緒にいられるよ。」


春妃はうなづいた。


「また会えるよ。
家に遊びにいくからね。」


うんうん


何度も何度もうなづいて
俺を力いっぱい抱きしめる。



そして何度も振り向いては
大きく手を振る



「バイバイ~」



春妃は小さな子に戻って
何度も笑顔で手を振った。