中学からずっと一緒だった
親友の千田 敏夫 に娘が誕生した。


春の芽吹きを目にする4月



俺は親友の宝物に
会うため
ロケ先から少し複雑な気持ちで
向かっていた。


敏夫の妻 叶絵は、俺の初恋の女だったから



叶絵は、同級生で
そして敏夫をけなげに想い続けてきた。


頭がよく女にもてた敏夫に
恋しながら
自分の気持ちを伝えられず
そんな叶絵をいつの日か愛おしく思うようになった。


叶絵の相談にのりながら
いつか叶絵を手に入れたいと思ってた。
敏夫が叶絵に振り向くのは
ありえないことだと思っていたけど


敏夫も叶絵を好きだったと
知った時
俺は誰にも知られずに
身を引いた。


高校になって俺はスカウトされて
芸能界に入った。

敏夫とは連絡をとってはいたが
忙しさに格好つけて
距離をおいていたが


ずっと愛をはぐくみ
二人はやがて結婚して・・・・
そして女の子が生まれた。


二人は俺の気持ちを知らない。


俺に娘の名前を付けてほしい
そう言って連絡が来た。