その時だった理輝の父親が
戻ってきた。



「おじゃましています。
林田 林檎 と言います。」



「この間会ったね。
理輝がお世話になってるね。
佐々木さんから聞いていたよ。」



父親は理輝を静かに見つめた。




「春妃のこと知りたい。
親父と春妃の真実が知りたい・・・・
俺には知る権利があるよね?」



「そうだな。
おまえを傷つけて悪かった。
いつか話さないとと思ってた。
だけど……
父親として勇気が出なかった…」



「林檎がそばにいてくれる。
今なら俺もちゃんと聞ける。」




「週刊誌にもいろいろ書かれてるからな。
すっかり仕事も激減したけど
公に話す必要はないと思う。
春妃が汚れてしまうから……
春妃をいつの間にか
愛していた……
春妃を演じなければならなかった
悲しい春妃を……
でも……
救えなかった……
人間として年上の男として…
春妃を導くことができなかった…」



ソファーに深く座り込み
語り始めた・・・・・


理輝は背を伸ばした・・・・。