私は昨日、ジジオからこう言われた。



「林檎はもう大人だから話すよ。
よく聞いてくれ。」



「はい。」



「浩一の心臓の状態がよくない。
もし浩一に何かあっても
おかあさんのそばにいけると
思ってやってほしい。
おまえたち三人は私たちにとっても
宝物だから…
これからも安心して
ここで暮らしてほしい……
浩一にしてやれなかった
いろんな愛をおまえたちに捧げたい
それがこれからの
俺達の生き甲斐だから・・・」



父が衰弱してるのは
目に見えてわかった。



「おとうさん・・・・・
おかあさんに会ったら
うち頑張ってるって伝えてね。」


「おかあさんは
いつも笑ってるよ。
きっとみんな知ってるんだよ。」


父が私の頭を優しく撫でた。


「おとうさんとおかあさんの
宝物・・・・輝いて、もっともっと…
おまえは、誇りだよ。
あの二人で逃げてきたあの土地で
おかあさんが苦しみながら
生んでくれた
真っ赤っかな顔でなく宝物は
秋の収穫で輝くリンゴみたいだった。
二人同じだったよ。
林檎にしようって。
両頬に二人でキスした………」


私は父の胸に抱きついた。