「林檎、最近明るくなったな。」

見舞に行くと父が目を細めた。


「うん、毎日どんどん楽しくなる。
こんなに幸せって気持ち感じられて
ここに来て辛かったけど
今は感じ上手になった気がするよ。」


「大人になったな。
おじいちゃんとおばあちゃんも
変わったな・・・・」


「最近は、チビ達連れて
いろんなとこ出かけているよ。
うちは、忙しいからなかなか
出かけられないけど
なんか二人も幸せそうに見えるわ。」


急に父の目に涙があふれた。


「親不幸な息子だったけど
おまえの宝物たちが俺らを幸せに
してくれてる。
林檎も桃も来地も
かけがえのない生き甲斐だ
…って昨日言ってくれたよ……
ありがと林檎…
やっと親におとうさんの
人生を認めてもらえた。
おかあさんと出会って愛し合って…
そして三人の宝物に恵まれて・・・・」


私も父の言葉に涙が出た。


「きっとね、おかあさんだよ。
おかあさんがうちらを見守っている
だから…こんなに幸せな気分なんだよ。」



「そうだね。」



「おとうさん、お墓参り行こうね。」




「そうだな~
おとうさんは、しょっちゅう
おかあさんに会ってるけど
お墓には行ってないもんな。」



「ずるいな~
おとうさんだけ~~~~」