その時だった。


徹の胸に抱きしめられた。


「と・・・徹?」


「後悔したんだ・・・・
もっと早く自分の気持ちを
伝えていたら良かったって…」



田舎の草原に匂いがする。



懐かしさに目を閉じた。



「ずっと、ずっと好きだった。
ダチのふりして…小さい頃から
おまえのことだけ見てた。
おばさんが死んだ時
そばにいられなくて……
ずっとずっとどうしてるのか
心配でたまらなくて……
高校で会えると思ってたのに
おまえがここにいないことが
ずっと恐怖だったんだ。」



不思議に落ち着く胸が
なつかしさでいっぱいになった。



「徹・・・・・
うちもずっとずっと帰りたかった。
最初は、田舎の夢ばっか見た。
徹と競争した一本道の夢・・・・
秘密基地の夢・・・
おかあさんの夢・・・・
ここから逃げ出したいって思うたびに
夢が見れなくなってきた。
だから田舎に行ったんだ。」



「おまえの居場所はここじゃないからだ。
おまえは俺らのとこで
笑っているのが本当の姿なんだよ。」



徹の声に我慢していたココロが
爆発した・・・・。