「昨日はありがと、おねえちゃんも
喜んでると思うわ。
昨日夕方父がもう一度
お墓に行ったら、
すごい大きな立派なお花がおいてあったって。
ヒロおじさんじゃないかって……
連絡とれたときでいいから
聞いてみて。
お礼を言わなきゃって・・・・」


麻妃は長い巻き毛を指で
もてあそびながら言った。



「親父だとしても
俺に言われても伝えないよ。
あいつとは話したくないから。」



「おねえちゃんのこと?
まだひきずってるの?」



「もういいからあっちいけよ。」
理輝が冷たい顔をして
横を向いた。



「おねえちゃんってひどいよね。
親子をこんなふうにしちゃうんだから。」
ぼそっとつぶやいた。



「それ以上ここで
その話をするな。ぶんなぐるぞ。」


理輝の声が震えた。