「墓参りに行きたいのか?」


「はい。」


「盆に連れて行こうと
思ってたんだが・・・・」



「その時に、チビ達を連れていきます。
今回は一人で行きたいんです。」



「学校、なじめないのか?」


「はい……でもなじむように
努力します。」


「本当につらい時は言いなさい。」


「ありがとうございます。」


「ここの生活に、おまえは
どんなことになじめない?」
ジジオが顔をあげた。


「こんな贅沢な暮しを私は知らなかったから
チビ達はまだ小さいから
すぐにここに慣れるけど…
うちは母が必死に働いてきた背中を
見てきたから…夢のような毎日です。」


「息子を…おまえのとうさんを
憎んでるか?」


「小さい頃は大好きでした。
若くてかっこよくて頭がよくて
ものしりで…尊敬してました。
でも病院生活が長くなって……
母が必死に働くにつれ、私は
一人の時間が長くなって……寂しかった。
でも、母は愛してる人たちのためなら
そう言っていつも笑ってたから
つらいなんて思ってなかったから……
あんなふうに体が悲鳴をあげてるのも
気づいてあげられなくて・・・・・」


悲しくなって泣けてきた。