「おじいちゃんに連絡しておくよ。
田舎に少し戻りたいって
お母さんに会ったら
きっと林檎も元気が出るだろう。」


「怒るかな…」


「大丈夫だよ。
チビ達はどうする?」


「内緒にして。
今回は一人で行きたいの。」


「わかったよ。
ごめんな、おとうさんが
しっかりしてれば田舎にいられたのに。」



「でもね…いい出会いもあったんだ。
大事な出会いも・・・
ちょっとその人とは
切ないんだけど。
だから……悪いことばっかじゃない。
ただ、ハイジのように
田舎の空気に触れたいだけなの。」


「一人で行けるか?」


「うん、列車乗って行けば
日帰りで戻ってこられるし。」


「お母さんが来たら
伝えておくよ。」

父がにっこり笑った。