放課後、麻妃は勝ち誇った顔で
理輝と並んで帰って行った。


一緒に帰るのは私なのに……


時間をずらして
教室を出ようとすると
望と祥子が立ちはだかった。

「びっくりよ、リンゴちゃん~
どうやって理輝の気をひいたの?」


「あの理輝が、メロメロになる方法を
知りたいよね~どんだけ素晴らしい作戦なの?」
祥子が下から上に視線をうつして
意地悪く笑った。


「ものめずらしかったんでしょ~
田舎のリンゴちゃんが~」
望が大げさに自分の頬をおさえた。



「理輝と麻妃は、幼馴染で
理想のカップルだったの。
あんたと一緒に歩く理輝はカッコ悪いわ。
ほっぺ真っ赤なリンゴちゃん。」

二人はキャハハ~と笑って
私に背を向けて歩き出す。


悔しくて握り拳を作った。


俺を信じるか?


理輝はそう言った。



信じてる・・・・・
私に逃げてきたっていいじゃん。
理輝が私を必要だと思ってくれたんだから。


だけど傷つけられる心は
悲鳴をあげている。

そんな言葉に動揺する自分が嫌い……