「理輝。」
その声に理輝の手が止まった。


麻妃が立っていた。


「ね…私にはちゃんとした話が
あってもいいよね?」



理輝の顔をまっすぐ見つめた。



「別におまえに話すことも
おうかがいをたてることもない。」



「理輝、そんな言い方しなくてもさ…」
まーくんが中を割った。



「理輝は、私たち姉妹に責任があるわ。
おねえちゃんを愛してたのに
すぐこの人を好きになれるわけがない。
理輝は、私を傷つけて
おねえちゃんを愛したんだから。
この人にただそばにいてもらおうと
利用してるだけでしょ?」


「やめれよ。」

理輝の声が地を這う。

私は頭がクラクラしてきた。


「理輝は、ずるいよ。
まだ終わってないはずだよ。
逃げてるのよ!!
おねえちゃんを愛してる・・・違う?」


麻妃の言葉に激しく動揺する私を
理輝が抱きしめた。


「林檎……俺を信じるか?」
耳元でささやいた。


「うん・・・・」
そう言いながらも夢からさめてしまいそうで
私は麻妃を見つめた。