波の音


「帰るぞ。」
理輝が言った。



「また、連れて来てくれる?」


「いいよ。」


「約束ね、今年は一緒に泳ぎに来ようね。」



「え?俺に水着見せる勇気あるんだ。」


一瞬言葉を考えた。


「や、別にそういう意味じゃないけど…」
私は慌てる。



「期待してっからな~
夏が楽しみだな~~」

理輝が走り出した。



「ちょっと、待ってよ!!
そういう意味じゃないんだから!!」



「行くぞ~」


「もう!!意地悪!!」

理輝が差し出した手を
掴んだ。


そして
二人一緒にバイクに向かって走り出した。