あの後、理輝が懐中電灯を照らしながら
墓の道を二人で戻った。
しっかりつないだ手は
温かかった。


「俺のかあさんの墓があるんだ、
今度おまえを会わせに行くかな。」


「うん、私も田舎におかあさんのお墓が
あるから、理輝を会わせてあげたい。
いける?」


「いいよ。」


うれしくて鼻歌を歌った。

~行きは怖いが
帰りはルンルン~

「何それ?」


「なんか嬉しいから~」


「バカか~」


「理輝・・・・・・」


「ん?」


「一緒に毎日幸せになるように
がんばろうね。」



「俺、がんばるとか努力とかキライ~」


「あまのじゃく!!
うちじゃなかったらあんたなんて
相手にできないよ。」



「・・・・おまえがいいからいいんだ。」
一瞬耳を疑う。


「もう一回言って~」


「やだね~~」


「お願いですから~~」


「絶対二度と言わない。」


~行きは怖いが
帰りはルンルン~


理輝が私の鼻歌を歌った。