先生が飛んできた。

祥子が

「林田さんが、望ちゃんに暴力をしかけた。」
そう叫んだら



女子は次々に先生に
同じことを言いつけた。



「先にバケツを投げつけたのは
望のほうだよ、先生。」


「女子同士でこんな喧嘩するなんて
びっくりですよ。
林田さん、暴力はいけませんね。」



「はい……。」



「それから、井上さんも
物を投げつけるなんて何かあったら
どうするんですか?」


「ヒック…ヒック…だって…
だって……」



望は泣きじゃくる。


「望ちゃん、かわいそう。」
女子は口ぐちにそう言って
望の周りに固まった。


悔しくて・・・
涙がでそうだったけど
絶対泣かない
そう思って葉をくいしばって
天井を見た。