「ユイ。ありがとな・・・。」





タケルの大きな手が





私の頭を





ポンポンと撫でた





「タケル・・・?」





ふんわりと窓から差し込む陽射しに





ついウトウトしてしまっていた





夢か・・・





少し残念に思いながら





タケルの顔を





覗き込む










かたく閉じた





まぶたの端から





ツーっと





ひとすじの雫が





流れ落ちた





「タケル・・・泣いてるの?」





そのとき





あの子が





言ったんだ










『ありがとう』










って・・・





そして





フワッと





走り去った・・・