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「えっ、何で何で何で?!」





翌日、別れたことを志歩と咲樹に話すと、咲樹が物凄い形相で迫ってきた。




「いや、まぁいろいろあってん。」


「そのいろいろが知りたい!」


「あのなぁ…」




咲樹をなだめるように言ったのにも関わらず、ずいずい聞いてくる。






「咲樹、人には言いたくないことだってあるんだよ。」



「志歩……。分かった。もう聞かない。」


「えらいえらい」





おあずけをくらった子犬みたいにしゅんとした咲樹の頭をよしよし、と志歩が撫でる。





そんな光景が微笑ましくて、思わず口端が緩む。