一瞬でさえ、大切だから




後輩を選んだ私は、君を忘れるはずだった。

でも、三年生になっても君を忘れることは無かった。


どこにいても、先輩の姿を探している自分がいる。


そして、いつも私は自分に問い掛ける。



何故、私は愛より後輩を選んだの?

好きなら、愛を伝えればよかったのに。



いつも、一つの考えが浮かぶ。


私は、告白して君を困らせたくなかった。


そう考えると、少し気が楽になる。

そうだよ。
私は、君を困らせたくなかったんだ。


私が言わないことで、君は困らずにすんだ。



でも、そんな甘い考えはすぐに打ち消された。


「それって、自分が傷付きたくなかっただけでしょ?」


親友に言われた言葉。

私は親友に怒り、すぐにその場を去った。