あたしは慌てて玄関へ走る。 『ガチャ』 ドアを開けた先には、 携帯越しだった彼。 微かに髪から雫が滴っている。 「…どうしたの?」 「どうした、って、心配だから来た。」 やっぱり泣いてたじゃんか。 そう言って彼は、あたしの頬の涙を指で拭った。