「これはチャンスだ!どうするおれ?」

翔は自問自答した。

そしてゆっくり振り向いて美月の少し後ろを歩き始めた。美月は階段をおり、駅近くのスーパーに入って行った。
それを見届けた翔は急いで駅のコインロッカーへ行き、学校の大きなバックから帽子を取り出し、着ていた上着を脱いだ。そして、バックと上着をコインロッカーへ入れて急いで美月のいるスーパーへ向かった。

(まだ、レジに並んでいるな。良かった。寒!夕方になるとやっぱりまだ寒いな。上着は脱がないほうが良かったなあ。失敗、失敗)

買い物した商品をバックに入れて、美月が出てきた。翔は帽子を深くかぶりなおして美月の後をつけた。
歩くこと10分弱、美月はワンルームのマンションに入って行った。

(ここに住んでいるのか・・・)

翔は立ち止まって携帯を見るフリをしながらマンションの部屋に明かりがつくのを待っていた。間もなくして2階の端の部屋の電気がついた。

(先生はあそこか・・・おいおい、カーテン透けているぞ!遮光カーテンにしないと駄目だよ。危ないなあ)

「痛っ!!!」

学生風のメガネの男が翔にぶつかった。その男はうつむいたまま「すいません。すいません」と謝りその場を走り去っていった。

(何だ、あいつ、こんなところに立っているおれも悪いか。)

翔はたいして気にも留めず、鼻歌交じりで駅に戻っていった。(これで、連休の予定クリアだ♪愛莉たちとたくさん遊べるぞ^^)