「翔、今度の連休どうする?」

「う~ん。休みたいな。」

「何言っているの、翔らしくない。どこか遊びに行こうよ。」

「おっ!愛莉ちゃん。それいいね♪」

「雄哉くんも皆で遊びに行きたいよね。」

「いつも渋谷で遊んでいるじゃないか。おれ連休はゆっくりしたい気分なんだけどなあ。」

「やだ~翔!会社勤めの疲れたお父さんみたいなこと言わないでよ!」

「それじゃあ、爺さんだぞ!翔!」

「わしゃ~もう歳でなあ・・・渋谷来るだけでつらいんじゃよ。」


翔はおどけて見せた。本当はGWの連休中にある事の計画をしていた。だから、誰にも会いたくないのだが、
(1回はこいつらと遊ばないといけないみたいだな。)翔は小さくため息をついた。


「じゃあ、今日おれ用事があるから、ここで!」

「おお!じゃあな翔!また明日」そういうと雄哉はJRのほうへ歩いていった。

「愛莉もまたな。」翔がそう言うと愛莉は少しさびしそうな顔をした。

「私も一緒に行っちゃだめ?」愛莉が翔に言うと同時に翔は交差点を渡ってセンター街へと走っていった。

一人残された愛莉は「翔、やっぱり今までと違う・・・」とつぶやいた。

高校時代はいつも愛莉や仲間達と行動していた翔。(同じ学校へ追いかけてきたのがいけなかったのかなあ・・・迷惑だったのかな・・・)愛莉は一人帰りながら考えていた。(でも、休み時間になると私が翔に会いに行くより、翔が会いに来てくれているほうが多い。やっぱり、考えすぎなのかな?)


翔は、こっそり愛莉が駅に向かい改札口を通るのを見届けると、切符売り場のそばの柱に寄りかかった。

(今日はノー残業デイだから、絶対早く帰るはずだ)

そう、翔の用事とは美月が現れるのを待って同じ電車に乗ることだった。