専門学校の生活はさすがにハードだ。毎日朝から夕方までぎっちり授業がある。毎日のように宿題がでる。

そんな忙しい授業に追われながらも翔は美月の行動もチェックしていた。
新人の美月の朝は他の職員よりも早く登校して職員室の掃除を始める。掃除が終わると、助手でつくクラスの授業の準備。そして、職員の朝礼。
月曜と木曜の放課後は生徒達の喫煙室・休憩所の掃除当番だ。水曜日のお昼前は給湯室のお茶準備の当番。
翔は必ず、美月の当番の日は偶然を装ってそこにいるようにしていた。

美月を見かけても出来るだけ無関心を装っていた。話しかけるのは、3回に1回程度で我慢していた。

いつしか美月も翔たちを見かけると、翔たちが話しかけるよりも先に笑顔を向けるようになった。その可愛らしい笑顔を見ることが、翔にとっては一番大切なことだった。
しかし、このままではいつまでたっても翔は、美月にとって大勢の生徒の中の一人に過ぎない。

いつしか、翔はもっと美月のことを知りたくなっていた。