「あみる、このままじゃだめな女になるよ!
こっちに来て一緒に住めばいいやん」


いきなり康子さんが
ふらっと実家に立ちよった私を


まじまじと見て言った


私の実家は住んでいるマンションから歩いて

10分くらいのところにある


1人暮らしといっても形ばかりだ


「ひとりやと余計寂しいでしょ。タカシ君がいなくなってからげっそり痩せてもうて
いい女がだいなしよ!」

ふくよかな顔を
楽しそうにして

康子さんは大阪弁まじりに言った


康子さんは私の叔母


我が家が母子家庭になってから


ずっといっしょに
暮らしている


康子さんは
不思議な力を持っている

「それになぁ
あみる、私見えてしもてん」


にこにこして
康子さんは言う


「あみるがいつまでも悲しんでるから
タカシ君ずっとあみるの近くにいて
空に昇れないんよ。久々に見えたわ」


そして
康子さんはソラを指差した